二人の間に会話は一言もない。 音の無いこの空間が俺が臨んだ静かな世界のような気がして 凄く心地好いんだ。 ザワザワと今までと何一つ変わらない夜の町の中 冬真っ盛りの冷たい夜 握った袖の先から伝わる体温だけが温かく身体に染み渡っていった。