「家に帰ろう」


「……うん」





七瀬の言う家が俺の家でないことは分かる。


少し痛む体を引きずりながら七瀬の1歩後ろをついて歩く。



風にのって流れてくる爽やかな甘い香り

落ち着くこの香りが七瀬の家のシャンプーの香りだと俺は知っている。