七瀬が俺を引っ張りあげるように立たせる。



黒いコートにスキニータイプのデニム

ショートブーツを履いていて
前会った時より少しだけ大きくなっている七瀬



本物の七瀬だ。




七瀬は俺を無理矢理屈ませるようにして頭を抱える。


目には七瀬の白いコートの生地だけが写る。


分厚いコートの上から感じるはずもない温かさと鼓動が心を落ち着けていく。