身支度を整えてリビングに行くと、四人がけテーブルの上にはいつものように、朝ごはんが並んでいた。
私がリビングに入ってきたほぼ同じタイミングで、お母さんは席についた。
お父さんは既に、テレビを見ながら朝ごはんを食べていた。
「おはよ、お父さん」
「おはよう」
私とよく似たアーモンドアイが、優しげに細められた。
「誕生日おめでとう」
「ありがと」
「日向(ひなた)はまだ起きてないのか?」
「たぶんそうじゃない?」
ご飯に韓国海苔を巻きつけながらテキトーに返した。
「あいつは17になっても変わらんな」
「ってか、昨日と今日で変わるはずないでしょ」
「それもそうか」
なんとなく笑ってしまった。
日向というのは、私の双子の弟。
言っておくが二卵性である。
そっくりなんてことも無いけど、全然似てないこともない。
小さい頃は瓜ふたつだったらしい。
でも、成長するにつれ、やはり男と女、骨格に差が出てきて、顔つきにも違いが生まれた。
高校二年生の今じゃ、私と日向の身長は12cm違う。
その一方で、寝顔と笑顔はそっくりだ、なんて言われる。
「おはよ、みんなっ」
「「「おはよう」」」
日向は毎朝、この言葉でリビングにやってくる。
まぁつまり、みんな揃っている状態で入ってくるということ。
万年ビリ。
「日和、誕生日おめでと」
「日向も、おめでと」
でも何だかんだ、いい弟だよ。
私のアーモンドアイはお父さんから、日向の猫目はお母さんから。
口元は両方、形のいいお母さんから。
私と日向は、鼻が特に似てる。
でも、高さも形も両親とは似ていない。
少し不思議だけど、良質な遺伝子だと思ってる。
無難というか……まぁ、無難。
私はそうでもないけど、日向はそれなりに女子にモテるらしいし。