「だって、私は槙野くんの事が好きなんだよ」
「うん。知ってるよ。だから、力を無理に使わなくてもいいんだって思ってるよ。
それは藤さんのお陰」
「じゃあ、もういいじゃん。使わないって約束してよ」
「……う、ん」
槙野くんは小さく頷く。だけど、どこか納得していないようだった。
その気持ちが私にはわからなかった。
どうして、槙野くんがまだ自分を消したいと思ってしまうのか。
私が好きだって気持ちだけじゃ足りないのかな。
それから、サンドイッチが出来たってお父さんが教えてくれたから私達は食べる事にした。
パウンドケーキも一緒に。
サンドイッチもお店で出されているようなハムとレタス、トマトが挟んであったりして野菜盛りだくさん。
自分でやるとこうはいかない。
パウンドケーキも、パサパサしそうなのにしっとりとしていて、またフルーツとも合っていて凄く美味しかった。
たくさん食べてしまった。
二人に色々根掘り葉掘り聞かれたけど、その都度槙野くんが助けに入ってくれるから私はほとんど答えずに済んだ。