「私には凄い幸せそうに見えたよ。
大事にされているんだなって思った。それって槙野くんのお父さんが頑張ったからでしょう?」
「…………」
「だからさ、してしまった事実よりも、後の未来を考えたらいいんじゃない?」
「……うん、確かにそうだね」
「槙野くんはもう自分を殺そうなんて思っていないでしょ?」
「えっ?」
「え?」
ギクッとしたような顔に、私が驚く番だ。
え?まだ槙野くんは自分を殺したいと思っているの?
どうして?
だって、元々私と付き合いたいと思っていたからじゃないの?
「まだ、思ってるの?」
「……いや」
歯切れの悪い言い方をする槙野くん。