涙で文字が滲む。はあ、泣いちゃったよ。槙野くんの前で泣くつもりなんてなかったのに。
待っててってここに来るんだよね。
どうやって来るんだろう。


徒歩は無理でしょ。自転車だって、距離が遠すぎる。
高校に私はバスで通っているんだ。

高校近くに住んでいる槙野くんが気軽に来れる距離ではないと思う。
もちろん頑張れば来れるんだろうけど。


でも、それにしても遠い。
何十分かかるかわからない。


そんな事を考えていたら、幾分涙も引いた気がする。
でも、目は赤くなっているだろうし。色々誤魔化せないだろうな。

どうしよう。打ち明けるしかないのかな。



そう思っていると、すぐ近くでバタンと大きな音がした。
それから走る足音が聞こえる。


「藤さーん」


公園に入って来たのは槙野くんだった。
槙野くんは私の名前を呼びながら探していた。