外に出て歩いていると、自然とさっきの事を考えてしまった。
私はあの家にいらないんだろうな。


どうして、再婚していいよなんて言っちゃったんだろう。
紗奈さんだって支えが欲しかったんだって最初は思っていた。思うようにしていた。


だけど、いつまでもそんな良い人になれない。


どうしたって、いなきゃよかったって思ってしまう。
そう思う事すら嫌だと思っていたのに。


今ではそれを普通に考えていて怖い。


私、槙野くんに相応しくない。
あんなに綺麗で、素直で、真っ直ぐに気持ちをぶつけてくれる彼とつり合うわけがない。



やっぱり私は槙野くんが好きなんだろうなって、段々と自覚し始めていた。
でも、言う事は出来なかった。


こんなぐちゃぐちゃな思いを知って、槙野くんは私を嫌だと思わないかな。
槙野くんもこんな風に思ってくれたのかな。

だけど、槙野くんは私みたいに醜い感情を持ってなんかなくて綺麗なままだ。



私は公園に行くと、ベンチに腰を下ろす。
夏だけど夜は少し冷えるな。
何か羽織ってくればよかった。


ぎゅっと自分の体を抱き締める。