その日の部活が終わって、家に帰宅した私はいつものように部屋に向かおうとしたところを紗奈さんに呼び止められた。



「瑠美子ちゃん」

「え」


いつもお父さんがいないと素通りなのに、今日は一体どうしたんだろう。



「今日テストの結果が発表されたんでしょう?」

「う、うん」

「見せてくれる?」


ニコニコと笑う彼女が怖い。


私はカバンからテスト結果を取り出すと、紗奈さんに手渡した。
それを見た紗奈さんの顔がみるみるうちに強張っていく。


「……何で」

「え」

「何で順位上がっているの?」

「何でって」

「もっと悪かったでしょう?」

「……テスト勉強したから」

「ちーちゃんと私への当てつけ?」

「は……?」


意味不明だ。
私の順位が高いと、どうして二人への当てつけになるんだ。


「もういいわ」


そう言うと、テストの結果を私に返して戻っていった。
……なんだったんだ?


どういう事?紗奈さんの言う事が全く以て理解出来ないんだけど。