霊夢は符を顔に近づけ、念を唱えた。禍霊夢も同じく、符を顔に近づけ、念を唱えた。
「「霊符!『夢想転生』!!」」
霊夢は光に包まれ、禍霊夢は闇に包まれた。霊夢の背中には五芒星の波紋が浮かび、白いオーラを纏っている。一方、禍霊夢は白と黒の狐の仮面を被り、手足は獣同様の鋭い爪を携えている。
「行くわよ、霊夢」
「貴女を倒す!」
最初に出たのは、禍霊夢。凄まじいスピードで霊夢の首を狩りに右腕を前に出した。ザクリと鈍い音が聞こえた。霊夢の首は無傷、その代わりに禍霊夢の腕に鬼針が刺さり、血が出ていた。禍霊夢の一突きを避けず、カウンターを放つ暴挙。霊夢の本来の闘い方が今解き放たれつつあった。禍霊夢は少し間を取って高らかに笑った。
「ははははははははは!!いいねぇ…それだよ。もっと、堕ちろぉ!」
禍霊夢は咆哮し、霊夢に肉弾戦をけしかけた。霊夢は禍霊夢の打撃、突きを一手先を読み、全てかわした。禍霊夢は、また間を取りスペカを取り出した。
「闇符!『ブラッディスパーク』!!」
魔理沙のマスタースパークをドス黒く染めたブラッディスパークを霊夢にむけて放たれた。霊夢は右手を前に出し、スペカを取り出した。
「霊符…『異形波紋』」
霊夢の前に五芒星の波紋が現れ、ブラッディスパークを飲み込み、掻き消した。禍霊夢は更に符を取り出し、霊夢に突っ込んだ。
「闇符!『夢想封印 -裏-』!!」
禍霊夢の猛攻に、霊夢は防御するしかできなかった。しかし、霊夢は隙を見つけ、そこにスペカを繰り出した。
「聖拳!『浄怨烈破』!!」
霊夢の右手が光のオーラを纏い、禍霊夢の腹にとても重いアッパーを食らわせた。禍霊夢はモロに腹を食らい、嗚咽した。禍霊夢にしては想定外の様子だが、半分想定内だった。今の霊夢は、その昔、相手に対して無慈悲に退治していた時と同じ闘い方だ。それを定着させ、禍霊夢自身が霊夢に取り込まれる。そうすることで、自分以外の妖怪、人間全てに慈悲など無く、殲滅を生業とする究極の悪に堕とす。そんな考えだ。
「いいよぉ…霊夢ぅ……もっと堕ちてくれよぉ……」
「……もういい」
「?」
「無駄よ、こんな闘い」
「あ?無駄?そんな訳無いわ。有意義よ、実に」
「そう……。じゃあ、次で終わりにしてあげる」
霊夢はスペカを二枚取り出し、構えた。
(来た来た!これで私が死んで、あんたの中に入るんだ……!本当の博麗霊夢が出来上がる!)
「次で終わり?何寝言言ってるかなぁ?もっともっとやろうよぉ…霊夢ぅ~?」
「……!」
「闇符!『次元破断』!!」
禍霊夢の目の前に空間の切れ目が出来、禍霊夢はその中へ入った。数秒後、禍霊夢は人為らざる獣へと変化した。異国のモンスターでよく聞くキマイラと似たような変貌だ。霊夢はそれを見るや、のこのこと禍霊夢の元へと歩いていった。禍霊夢はその行動にぽかんと戸惑ってしまった。
(なんだこいつ…?私が最終形態に入ってやったってのに)
遂に、霊夢と禍霊夢の差はあと一歩の所だ。禍霊夢はいつでも攻撃が出来たのに、それが出来ない。先程までの闘い方とは全く別、闇に堕ちるというよりサイコパスに近い。ここまで狂った闘い方は、いつか自身を滅ぼす。むしろ、滅びてもいいという考えだ。さすがの禍霊夢にも、これにはたじろぐしか出来ない。そして、霊夢はスペカを一枚差し出した。
「霊符『夢想転生』」
「バカな!二回目!?」
本来、夢想転生は一度しかできない。2回目以降の使用は身を滅ぼすレベルの危険なスペカだ。それを霊夢は躊躇せず発動した。また、霊夢の周りを光が包み込み、解き放たれた。
「………ぁ……?」
霊夢の背中には五芒星の波紋ではなく、天使特有の翼を携え、神に近いオーラを纏っている。
「終ワリニシヨウカ。神符『闇ヲ滅スハ光ノ聖剣』」
上から無数の光の剣が禍霊夢を刺し続ける。何度も、何度も、細切れになるまで、最後まで。禍霊夢は意識が失われる瞬間、霊夢の姿が全く別のものに見えていた。常人には、天使のように見えるだろうが、禍霊夢にはこう見えた。神や天使とは全く違う異形の物体、堕ち神の最終異物。今回の異変の首謀者も同じ堕ち神の化身だが、あれとは全く比べ物にはならない。かなりの闇を抱えていないと、あんなものは出来ない。博麗の巫女……。彼女は、一体どんな闇を抱えているのか……。
「「霊符!『夢想転生』!!」」
霊夢は光に包まれ、禍霊夢は闇に包まれた。霊夢の背中には五芒星の波紋が浮かび、白いオーラを纏っている。一方、禍霊夢は白と黒の狐の仮面を被り、手足は獣同様の鋭い爪を携えている。
「行くわよ、霊夢」
「貴女を倒す!」
最初に出たのは、禍霊夢。凄まじいスピードで霊夢の首を狩りに右腕を前に出した。ザクリと鈍い音が聞こえた。霊夢の首は無傷、その代わりに禍霊夢の腕に鬼針が刺さり、血が出ていた。禍霊夢の一突きを避けず、カウンターを放つ暴挙。霊夢の本来の闘い方が今解き放たれつつあった。禍霊夢は少し間を取って高らかに笑った。
「ははははははははは!!いいねぇ…それだよ。もっと、堕ちろぉ!」
禍霊夢は咆哮し、霊夢に肉弾戦をけしかけた。霊夢は禍霊夢の打撃、突きを一手先を読み、全てかわした。禍霊夢は、また間を取りスペカを取り出した。
「闇符!『ブラッディスパーク』!!」
魔理沙のマスタースパークをドス黒く染めたブラッディスパークを霊夢にむけて放たれた。霊夢は右手を前に出し、スペカを取り出した。
「霊符…『異形波紋』」
霊夢の前に五芒星の波紋が現れ、ブラッディスパークを飲み込み、掻き消した。禍霊夢は更に符を取り出し、霊夢に突っ込んだ。
「闇符!『夢想封印 -裏-』!!」
禍霊夢の猛攻に、霊夢は防御するしかできなかった。しかし、霊夢は隙を見つけ、そこにスペカを繰り出した。
「聖拳!『浄怨烈破』!!」
霊夢の右手が光のオーラを纏い、禍霊夢の腹にとても重いアッパーを食らわせた。禍霊夢はモロに腹を食らい、嗚咽した。禍霊夢にしては想定外の様子だが、半分想定内だった。今の霊夢は、その昔、相手に対して無慈悲に退治していた時と同じ闘い方だ。それを定着させ、禍霊夢自身が霊夢に取り込まれる。そうすることで、自分以外の妖怪、人間全てに慈悲など無く、殲滅を生業とする究極の悪に堕とす。そんな考えだ。
「いいよぉ…霊夢ぅ……もっと堕ちてくれよぉ……」
「……もういい」
「?」
「無駄よ、こんな闘い」
「あ?無駄?そんな訳無いわ。有意義よ、実に」
「そう……。じゃあ、次で終わりにしてあげる」
霊夢はスペカを二枚取り出し、構えた。
(来た来た!これで私が死んで、あんたの中に入るんだ……!本当の博麗霊夢が出来上がる!)
「次で終わり?何寝言言ってるかなぁ?もっともっとやろうよぉ…霊夢ぅ~?」
「……!」
「闇符!『次元破断』!!」
禍霊夢の目の前に空間の切れ目が出来、禍霊夢はその中へ入った。数秒後、禍霊夢は人為らざる獣へと変化した。異国のモンスターでよく聞くキマイラと似たような変貌だ。霊夢はそれを見るや、のこのこと禍霊夢の元へと歩いていった。禍霊夢はその行動にぽかんと戸惑ってしまった。
(なんだこいつ…?私が最終形態に入ってやったってのに)
遂に、霊夢と禍霊夢の差はあと一歩の所だ。禍霊夢はいつでも攻撃が出来たのに、それが出来ない。先程までの闘い方とは全く別、闇に堕ちるというよりサイコパスに近い。ここまで狂った闘い方は、いつか自身を滅ぼす。むしろ、滅びてもいいという考えだ。さすがの禍霊夢にも、これにはたじろぐしか出来ない。そして、霊夢はスペカを一枚差し出した。
「霊符『夢想転生』」
「バカな!二回目!?」
本来、夢想転生は一度しかできない。2回目以降の使用は身を滅ぼすレベルの危険なスペカだ。それを霊夢は躊躇せず発動した。また、霊夢の周りを光が包み込み、解き放たれた。
「………ぁ……?」
霊夢の背中には五芒星の波紋ではなく、天使特有の翼を携え、神に近いオーラを纏っている。
「終ワリニシヨウカ。神符『闇ヲ滅スハ光ノ聖剣』」
上から無数の光の剣が禍霊夢を刺し続ける。何度も、何度も、細切れになるまで、最後まで。禍霊夢は意識が失われる瞬間、霊夢の姿が全く別のものに見えていた。常人には、天使のように見えるだろうが、禍霊夢にはこう見えた。神や天使とは全く違う異形の物体、堕ち神の最終異物。今回の異変の首謀者も同じ堕ち神の化身だが、あれとは全く比べ物にはならない。かなりの闇を抱えていないと、あんなものは出来ない。博麗の巫女……。彼女は、一体どんな闇を抱えているのか……。