「いっくぜー!シューティングスターレイ!」
 魔理沙の上空から小さな星の弾幕がわかさぎ姫目掛けて撃ち込んだ。しかし、わかさぎ姫は湖の中に潜り込み弾幕を避けた。
「そんな弾幕当たるとでも?」
「そいつはブラフだぜ!恋符!『マスタースパーク』!」
 わかさぎ姫の潜り込んだ先にマスタースパークを撃ち込み、わかさぎ姫を上空へと打ち上げた。わかさぎ姫は態勢を持ち直そうと上体を起こそうとした時既に、目の前に物凄い勢いで迫る魔理沙の姿があった。
「これで終わりだ!恋符!「ブレイジングスター」!!」
 強烈で鋭い痛みがわかさぎ姫の胴体部に伝わる。その衝撃により、わかさぎ姫は遠くへと吹っ飛ばされた。
「へへっ…いっちょ上がり!霊夢!終わったぞ!」
「うるさい…。少し黙ってて……っく………」
「………?あいつ……」
 霊夢は焦っていた。得体の知れない泡に囲まれ、影との距離は、湖の端から端までの距離、しかも、行く道全てに泡が敷き詰められている。この状況で、どうすれば倒す事が出来るか。悩んでいた。
「…………(ニヤッ」
「………っ………」
「おい、霊夢!」
「うるさい!黙って!」
「黙ってられっか!恋符…『ファイナルマスタースパーク』!!」
「……!!?」
 湖上空から湖全てを包み込む程の光の柱が湖目掛けて撃ち込まれた。霊夢はすかさず退避し、わかさぎ姫の影は被弾した。湖は空になり、全て蒸発した。わかさぎ姫の影も、もやとなって消えていった。魔理沙は霊夢の元へと飛んでいき、霊夢の安否確認をした。
「霊夢!大丈夫か!?」
「…………」
「……霊夢………?」
「………んで……倒した……よ……」
 霊夢は小刻みに震えている。魔理沙が霊夢の顔を覗き込んだ瞬間、左頬に鋭い痛みが走った。霊夢は下を俯きながら、魔理沙をぶった。
「何で…倒したの…」
「それは……」
「私がやるって言ったのに…邪魔するなって言ったのに…」
「霊夢……とりあえず、落ち着けよ」
「もう…いい…もう……関わらないで…」
「待てよ!」
 飛んでいこうとした霊夢を魔理沙の右手が肩を掴んだが、すぐに払われ…。
「触らないで!」
 霊夢は湖を越え、妖怪の山へと入っていった。
 魔理沙は、ただただその姿を見ているしか出来なかった。