同刻、魔理沙は妖精の森に入ろうとしていた。先刻の闘いでの傷は、自作の治癒の薬を使い癒やした。しかし、魔力を回復するキノコが無くなった為、キノコ探しを兼ねて霊夢を追っていた。
「うぅ…。使いすぎた…。使えても2発が限界って所かな…」
 魔理沙のスペカには使用限度がある。魔理沙の使い方にもよるが、かなり荒い消費をしている。魔理沙自身にも、それは理解しているし、それを抑える修行も毎日している。
 異変が起こる度、異変解決へと向かってはいたが、最終的には霊夢に取られている。最後まで持たず、無駄撃ちが多く、すぐに使い切ってしまうからだ。魔理沙自身は、それをコンプレックスに感じていた。修行不足ということもあるが…。
 妖精の森に着いたやいなや、森の中へと降り、キノコ探しへと興じた。しかし、いつもの森と違って、何か淀んだ空気が漂っている。この雨の影響だけではなく、少し焦げ臭い。早くキノコを見つけて出た方が良さそうだ。
「……ん……こいつは……」
 魔理沙の前で倒れていたのは、焦げて突っ伏してるチルノと顔以外を札で包み込まれて苦しんでいる大妖精だ。察するに、霊夢が退治したのだろうが…。妖精相手にこけまでするとは思えない。最弱とはいえ、軽く懲らしめる程度のはず…。
「霊夢に…何か異変が……?」
 魔理沙は、ささっとキノコを探し出し、霊夢の元へと飛び出した。