チルノの氷に水はあまり効かない。絶対零度の氷を作り出し、それを弾幕として撃ち込む。厄介と言えば厄介だ。だが、それはあくまで一般的な人が使えばだが、チルノの場合、無鉄砲に撃ち込む為、隙が出来る。そこさえ見つければ簡単に倒すことが出来る。
「いっくよー!アイシクルフォール!」
 無数の氷の結晶が弾幕となって、霊夢の方へ射出された。霊夢は、弾幕の軌道を読み、余裕でかわす。それと同時に、霊夢は符を取り出し、御祓い棒に差し込み、スペカの準備をした。
(いつも、あいつは背中がガラ空きになる…。分け身を使って奥に行けば簡単に倒せるわね……)
 霊夢は、途中で止まり、チルノが集中攻撃するよう挑発した。それを見たチルノは、絶好のチャンスと思い、さっきと違ったスペカを発動した。
「これでもくらえ!パーフェクトフリーズ!」
 無数の氷の結晶と凍てつく波動が霊夢目掛けて放たれた。霊夢は、避けること無く直撃した。が、直後霊夢が消え、ただの符へと変化した。
「あれ!?どこにいった!?」
「……ここよ」
 チルノの後ろには、符を結界とし、スペカの準備をしていた霊夢が構えていた。
「霊符……『二重弾幕結界』。……!?」
 霊夢がスペカを発動しようとした時、霊夢目掛けて氷の結晶が飛んできた。それを霊夢は、一寸で避け、態勢を持ち直した。
(どういうこと……?後ろを振り向く前にスペカを撃ち込めたのに…。それに気付く程あいつは強くないはずだけど……)
「アタイの後ろを取るとは、さすが霊夢!次こそ当てるよ!」
「………くっ………」
 霊夢は、試行錯誤を繰り返していた。あのバカで有名なチルノにあるまじき戦闘能力であること。更に今の発言からして、チルノ自身は気付いてなく、何らかの変化が起きているということ。そして、それへの対策をどうするか?思考を巡らせていた。