ドキッ。 それが合図のようにパッと玲央から離れた。 「もう、何してんの!女子の借り者競走始まるって!みんな招集してるんだから、行くよ!」 数秒、視線と視線が交差した時、眉を釣らせた莉子があたしを目に入れるなりそう叫んだ。 「ご、ごめんね莉子……今行く!」 「四ノ宮!勝手に三葉のこと連れてかないで!」 今にも飛びかかりそうな勢いで莉子がそう言えば、玲央が不機嫌に舌を打つ。