なんで、あたしの手をひいて一緒に走ってるんだろう。
その紙に、なんて書いてあるんだろう………。
そんなことを思いながら玲央の後ろ姿を視界に映せば、ごちゃごちゃ考える余裕なんて一つもなくなって。
あたしは、ひたすら足を動かして、子供の頃から追いかけ続けていた玲央の背中についていく。
ふわり、と……。
揺れるハニーブラウンの髪を見つめれば、胸が焼けるように熱くなる。
幼馴染みのーー初恋の相手は、あの日、一番大嫌いな男の子になった。
……けど。
どんなに不釣り合いでも、その瞳に映りたかったのは嘘じゃなかったよ。