ピンポーン、ピンポーンピピ、ンポンーー。
壊れるって、鳴らしすぎでしょ……!!
「ハァ……ったくっ!」
ピンクのリボンのついた大きな紙袋と白いハンドバックを手首に引っ掛けて、不在であるあたしの部屋のチャイムを鳴らしまくっている。
「どーこほっつき歩いてんだかっ!ブー!!」
「っ、ブーじゃないったらっ!」
過去のあたしを、“ブー”なんて呼ぶのはたった一人しかいない。
「お姉ちゃん……っ!!」
振り返ったスーツ姿のお姉ちゃんは、アイメイクを施したキツい目をまん丸にして驚いた。
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