自分が傷ついてるみたいな顔しないでよ。
……行き場のないそんな気持ちを八つ当たり同然に、秋空の下へと消え行くアイツの背中にぶつけてみるしか出来なくて。
結局、もやもやは解消させることはなかった。
「ごめんね三葉?どうしても体育祭のリレーで負けたくないの」
放課後の下駄箱で、堅く誓った決意みたいに意気込む莉子を見送る。
莉子なら、きっと一位になれるよ。
本気でそう思って手を振ったあたしは、重い足取りで家路へ向かう。
「………っ!!うっ、嘘……!?」
アパートの部屋の前で不審な人物を捉えた。
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