「帝王って何……?バイクなんかに乗って、それで、楽しいですか?」



り、莉子……?

叩かれた轟先輩の手からポイントカードが宙を舞って落ちる。



轟先輩相手に動じることもなく凛とした声を響かせる。


誰もが驚いて沈黙する中、轟先輩だけは、莉子から目を逸らしたりはしなかった。



「三葉を、振り回さないで……」


「り、莉子……っ、ちょっと!?」



乱暴にあたしの手を引っ張ると、野次馬をはっ倒す勢いで教室を出ていった。


振り返っても、轟先輩の大きな背中しか見えなくて、どんな表情をしてるかわからなかった……。