「忘れもんだ」


「……え、えっ!?」



歓声にも似た止まない騒ぎ声に、轟先輩は心底、鬱陶しそうに舌を打つ。


あたしはあまりのことにすぐに反応出来なくて。


差し出されたのが、玲央の出現によって受け取ることの出来なかった、シュガーマカロンのポイントカードだったことにやっと気づいた。



「あぁ……!!すっ、すみません!わざわざ……」



ーーーパシッ!


瞬間、受け取る前に手を弾かれた。


不快に満ちた莉子の華奢な手に………。


だけど、その痛みを負ったのはあたしではなくて。