「もうーーー!だから、御木本 菜々花!!アンタ、そういうのを……」



莉子が、押し倒す勢いで言いかけた直後。



「無神経だな」


「そうよ!!ソレよ……って……、」



えっ……?


莉子と同時に振り返った先には、夜の海を映したような冷気を纏う瞳と目が合った。



「轟……秀……?」



莉子が小さく漏らした声が零れ落ちる。



「きゃああっーーー、轟先輩よーー!!」


「帝王が、がっ、学校に来るなんて……」



興奮と色めき立つ女の子の悲鳴を背負っても、微動だにしない帝王。