「違うの。私は……ただ、麻白さんが新しい恋をしてるなら応援してあげたいと思って……」
身振り手振りで必死に口を回す御木本さんに、莉子は呆れ顔で返す。
「ハァ……?」
「だって、麻白さん玲央君に失恋したんでしょう?」
「な……っ、」
痛いことをヒソッと小声で呟いた。
昨日の会話が不本意にも聞こえてしまった御木本さんなら、そう考えてもおかしくはないけれど。
そんな、痛いとこをストレートに突かれれば、傷口はヒリヒリと痛むわけで……。
「だからね?新しい恋なら私っ、応援するよ?」
「あの、轟先輩とは、ほんとに何でも……」