気付けば辺りは真っ暗。

皆に置いていかれないように歩いていると違和感を感じた。


「──…っ」

おろしたてのミュールで靴擦れを起こしていた。

あまりの痛さに歩くペースも遅くなっていき、気付けば、たくさんの人混みに埋もれていた。

道の中心で座り込んでるのは邪魔になっていて、
すぐ近くの屋台の裏側の堤防まで、どうにか歩いていった。


そのまま堤防を背に座り込んで泣きそうになっていた。


お祭りは楽しいのに…

せっかく野上くんと一緒なのに──…


やっぱり、こんな靴、
あたしには似合わないってことなのかな───…