駅前に着くと、隼人と章吾が先に来ていた。
「よぉ、壱、誠也」
そう言って、にかっと笑って見せるのは章吾。
「祭り行くんだよな?
だったら、すげー人だろうし、連絡先ぐらい交換しといたほうが良くないか?」
周りをキョロキョロ見てから提案したのは、隼人。
まぁ、確かに…
祭りって混むもんな──…
隼人の提案に納得しながら、駅前の柱に、もたれかかった。
──祭りの日だからか
恋人同士が多い気がする。
視界に入るのは、カップルばかり──。
いつ来んのかな───
何だか落ち着かなくて、腕時計を見ながら、そう思った。
待ち合わせって…
こんな緊張するもんだっけ──?
ドキドキを隠すかのように、花火のことを隼人たちだけに話していた。