いきなりカバンから化粧ポーチを取り出した春菜と香歩。


えっ!?化粧!!??


「実咲ーっ!!助けて――…」


化粧をしたことのないあたしは実咲に助けを求めた。


「苺、可愛いんだから少しは化粧しなきゃダメだって!」

観念しなさい。というような表情を浮かべる実咲。


「ほら、目、閉じて。」


春菜の言葉に、仕方なく目を閉じると化粧が始まった。


しばらく化粧をして、最後に髪の毛をセットされ完了。


「可愛いよー、苺ッッ!!!!」

「ほんと、可愛い。ほら。」


そう言って、あたしの顔を鏡に写した香歩。


髪型は、いつも通りお団子ヘアーだったけど、なんだか違う感じがした――…。



――…なんだか恥ずかしくて、自分の顔をきちんと見ることが出来ないまま、駅前へと向かった。