────可愛い。
俺の渡したイチゴ飴を手にして、本当に嬉しそうな笑顔を浮かべる葵本を見て、そう思った。
隣で、ずっと見てたいな──
そう思って、葵本の姿を見ていると、誠也に話しかけられてドキッとした。
「壱も、これでいいよなー?」
夏休みの予定の確認だったけど、聞いてなかった。
「──え!? わりぃ、聞いてなかった。」
「ちゃんと聞いとけよなー。」
「わりい、わりぃ。」
終業式の日、夜まで時間があるから、皆で遊んでから祭に行こうというものだった。
そんな誠也の提案に俺も賛成し、終業式の日が待ち遠しくなった──。