「どうかしたの?」

俺の隣に来て、手招きをしたことに不思議がっている葵本。


そんな葵本を横目に、カバンの中から袋を取り出した。


「両手、出して。」

俺の言葉を聞いて、目の前で両手を広げてくれた。


その両手に、開けてあった袋を斜めにして、カサカサッと中身を出した。


今日の朝、通学路のコンビニで見付けた新商品のイチゴ飴。


「ありがとうっ!」

そのイチゴ飴を見て、嬉しそうに笑う葵本。


コンビニで見付けた時に思い浮かんだ、そのままの笑顔だった───…。