──side苺──
一緒に帰れることになったのは嬉しいけど、何も話せない──。
隣に居る野上くんに聞こえるんじゃないかってぐらいドキドキが高鳴っている──。
でも、雨、降ってて良かった。
そのおかげで、今、こんなにも近くに野上くんが居る──。
「家、どっち?」
曲がり角に差し掛かると、野上くんが聞いてきてくれた。
あたしは、ドキドキしながら帰る方向を指差しながら言った。
コンビニの前を通ろうとすると、横から「あっ!」と言う声が聞こえてきた。
「ごめん、コンビニ寄っていい?」
「…あ、うん。」
なんか買いたいものでもあるのかな?
そう思いながら、野上くんの後をついて行ってみる。
あたしも何か買おうかなぁ…
キョロキョロと店内を見渡してみる。