──side†壱†──
 
職員室に用事があって行っていた俺は軽く伸びをしながら階段を下りる。


廊下を歩いていると、開いている窓から雨の音が聞こえてきた。


──…雨!?

傘…… あったっけな──…


そう思いながら靴箱へと急いで向かう途中、雨が強くなってきていた。


階段を下りて、靴箱沿いの廊下に差し掛かり、
ふと出入口を見ると、立ち止まっている人の姿が見えた──…。


──…雨が降っている空を見上げて困っているような横顔。



──…あの髪型。


髪ゴムで横に、お団子のようにくくっている髪型。

そして、俺よりも小さめな身長──…。


一瞬で誰だか分かったんだ──…