「あれ? それ好きなの?」
イチゴミルクのジュースを飲んでいる途中、浅井くんが聞いてきた。
──それって、、
イチゴミルクのことだよね──……
いきなり4人の男の子と話すことになったあたしは頷くだけで精一杯。
「そうなんだー。
壱も、たまに飲んでるよなー?」
そう言ってフェンスを背もたれにしている野上くんに聞いている。
「なに?」
「これ。イチゴミルク。」
「──…あぁ。」
ぶっきらぼうに答える野上くん。
一瞬、目が合うと、秒違いだと思うけど、あたしよりも先に逸らした──。
「こいつさ、しょっちゅう甘いもの食べてんのー。
ほら、今日も甘いパンだし。」
そう言って、からかい口調で笑う浅井くん。
野上くんが食べているパンの袋をチラッと見ると、゙イチゴパン゙と書かれていた──。