──side苺──
あたしの真正面に座った野上くん──。
目の前に居ると思うと
それだけでドキドキが鳴り止まない──。
野上くんの肩に手を乗せて話をし始めたのは浅井くん。
浅井くんは、なんだかムードメーカー的な感じで、話をしやすいようにと、いろんな話をしてくれてる。
──なのに、あたしは、野上くんが気になって気になって仕方がなかった。
だけど、顔を上げるのもいっぱいいっぱいで──。
ドキドキを隠すかのように、あたしは持っているイチゴミルクのジュースを飲む。
──ドキドキし過ぎて味が分かんない──。
そう思ったと同時ぐらいに、野上くんが立ち上がってフェンスへと移動した。