入り口付近のフェンスに腰掛けて、お弁当を広げた時だった。
奥側のフェンスの方から歩いてきた男の子が春菜に声をかけてきた。
「古河」と呼ばれ、振り向き、姿を見ると嬉しそうに返事を返す春菜。
「枝崎くんっ!」
その春菜の言葉を聞いて、あたしたちはピンッと来た。
委員会の日に枝崎くんと話したって次の日、学校で言ってたっけ──。
あたしと実咲と違って
中学の時も共学だった春菜は普通に男の子と話している。
「同じクラスだし、良かったら、一緒に食べない?」
男の子に免疫のないあたしと実咲─。
そして香歩が誘いを承諾した1番の理由は、一緒だと思う──。