「なー、皆で食わねー?
友達増やすチャンスだしさー」

いきなり笑顔で言い出したのは誠也だ。


「それいいなっ!
さすが誠也──っ!
そうと決まれば古河に聞こうぜ!」


止める間もなく…
誠也は、章吾に引っ張られ葵本たちのもとへと走って行ってしまった──。


章吾の勢いに圧倒されている間に──…。



「行っちゃったなー」


「隼人も止めろよ──…」


視線の先に居る葵本の姿を直視出来ずに向きを変えて、フェンス越しに下に俯き、ため息をついた。


「何で?友達増えるし、いいんじゃね?」


隣でフェンスを背もたれにして、まぁいつものことだし。と笑いながら言う隼人。


まぁ、そうだけど…
と隼人の言葉に相づちを打つ。

「あっ! すげー勢いで戻ってきた。」


その隼人の言葉に振り返ると、

「向こう行こーぜっ!」
そう言って隼人と俺の腕を引っ張る章吾と誠也。



───…向こう!?


───って、もしかして……