一瞬、見上げた表情は苺のように真っ赤で……


「大丈夫です…」

そう言うと、すぐに俺から目をそらした。


何で敬語?
そう思って少し笑ってしまった。
その傍で、頑張って立とうとしている姿が目に映った。


俺のせいなんだけど…
その姿が何だか可愛く見えてしまった。


「立てないんでしょ?」


そう言って手を取って起きあげると、また真っ赤になっている─…。


あまりにも真っ赤な表情をする苺を見て、俺も照れてしまった─…



今まで気になった子は居たけど付き合ったことのない俺は─…

女の子と手を繋ぐのも初めてで…


目を合わすことが出来ないまま、チャイムが鳴り、クラスに入った──…。