「あの…さ…」

ドキドキしながら
勇気を振り絞って声をかけた。

「ん?」

俺の方に首を傾げる葵本。


「これっ…
誕生日おめでとっ」


ポケットから出したのは、イチゴのストラップ──…


そして、カバンの中に入れてあったイチゴミルク。


イチゴミルクに貼ってある紙に気付いて、それを眺める葵本。


言葉に出来るほど好きなのに、ドキドキして伝えられない。


だからイチゴミルクに書いて折った紙を貼って渡したんだ。


【葵本が好きだ】──…


──…カッコ悪い渡し方だよな。


だけど、これだけは声に出して、きちんと言いたかった。


「俺のっ…彼女になってくださいっ!」


ドキドキして、下を俯いた。


フラれたらどうしよう──…


そんな思いが頭の中にチラついて、いい方に考えられない──…