──side†壱†──
クリスマス──。
鍋を食べたあと、
皆でケーキを頬張った──…
美味しそうに食べる葵本を見て可愛く思っていた。
気付けば、辺りは真っ暗になっていて心配で葵本を送ることにした──…。
自転車を押しながら、
葵本と同じ歩幅で歩く──…。
「寒いねー…」
そう言って、立ち寄ったコンビニで買った温かい飲み物を擦りながら持っている。
風邪を引いてほしくなくて、
自分のつけているマフラーを巻くと、遠慮していた。
だけど平気なフリをして葵本に笑いかけていた──…。
「ありがとっ…」
そう言って、貸したマフラーに顔を埋め、顔を少し赤らめて微笑んでくれた──…
鼻を少し赤くして隣を歩く葵本にドキドキしていた──…。
駅前に近づくにつれ、
綺麗に彩られているイルミネーションが輝いていた。
「きれい──…」
その飾りを見上げ、隣で呟く葵本を見つめていた。
去年も見たはずのイルミネーション。
だけど、好きな人と見るだけで、また違う景色に見える──…。
来年も、こうやって一緒にクリスマスを過ごせたらいいな──…