寒くなってきて、陽もすぐに落ちるようになっていた。
すぐに真っ暗になるからと、
早めにパーティーは終了。
「さむっ…」
扉を開けると、冷たい風が肌に染み渡った──…。
春菜と枝崎くんは、
寄るところがあるからと先に帰って行ってしまった。
手を繋いで───…。
「──…送るよ。」
そんな2人を羨ましく思いながら見送っていると、後ろから野上くんの声が聞こえた。
自転車と共に、あたしの隣に並ぶ野上くん──…。
そんな野上くんの隣でドキドキしながら歩く──…。
「ちょっと入ろっか」
途中で見付けたコンビニに入り、野上くんは温かい飲み物を買ってくれた──…。
飲み物で手を温めていると、
つけているマフラーを、あたしの首もとに巻いてくれた。
そんな野上くんの優しさに
あたしの心も温まった──…
しばらく歩いていると、イルミネーションで飾っている家や木が視界に映った──…。
「綺麗──…」
隣を見ると、野上くんと目があってドキッとした──…。
駅前には、たくさんのイルミネーションが輝いていて、
周りには、たくさんの恋人同士──…。
あたしと野上くんも
恋人同士に見えてるといいな──… なんて思ってみた。
好きな人と見るイルミネーション。
好きな人と過ごしたクリスマスは、あたしにとって宝物の1日になったんだ──…。