11月5日──。
誠也に連れられて向かった先は、隼人の家だった。
今日は誰も帰ってこないらしく、遊ぼうということになっていた。
───えっ?! なんで?!
玄関を開けると、葵本たちも居て頭は混乱していた。
「とりあえずリビングなー」
言われるがままにリビングへと向かうとテーブルの上に並べられたのは、ケーキと料理。
「壱、ここなーっ!」
章吾に導かれて席に着く。
「んじゃ、せーのっ!」
隼人の掛け声に合わせて、皆が一斉に声をそろえた。
「「誕生日おめでとうーっ!!!!」」
えっ…… あっ、誕生日───……
「──……がとな。」
────やべぇ、泣きそうだ。
いきなりの出来事に
嬉しくてたまらなくて礼を言おうとしても言葉にならない。