──side壱──
 

──昼休み。

手洗いを済ませて、誠也たちのところに戻ろうとした時だった。


身長の低めな団子ヘアーの姿が3人を見たと同時に視界に入った。


楽しそうに話している姿を見ると、出ていけなかった────


誠也に笑顔を向ける葵本を見ると、複雑な心境だった────。


もしかして───……

葵本って、誠也のことが好きなのかな───…


俺のこと好きになってくれる可能性は、ないのかな───


心にトゲが刺さったかのような痛みを感じた───。