「皆、一緒だろ?
目の前でイチャついてんじゃねー!」
そう言って、枝崎くんの頭を軽く叩いた浅井くん。
「…ってぇ。
羨ましかったら彼女作れよ!」
「せっかくの文化祭なんだから仲良くしろよなー」
言葉を返しながらジャレ合う2人に向かって少し飽きれ気味に言う野上くん。
「はい、没収──っ!」
そんな2人から食べ物を取り上げて、最終的に止めるのは土谷くん。
「ちょっ…! 隼人っ!?」
「マジ腹減ってんだって!」
座っている2人は、後ろに振り向きながら叫んでいる。
それでも返そうとしない土谷くん。
「「誠也、章吾、取り返すぞ!」」
声を揃えて、お互いの顔を見たと思ったら、一緒に奪い返しに行った。
いつの間にか笑顔になっていた──……。
ほんと仲いいなぁ──…
そんな2人を見て、あたしたちも笑った。