もったいないなぁ───… もっと触れてたかったなぁ───… なんか恋人同士みたいだったなぁ───… 明るくなって、一瞬見えた俺の腕を掴む葵本に、柄にもなくそんなことを思っていた。 怖かったって言った葵本の頭を撫でてあげたかった──。 付き合ってたら、 理由とかなくても触れれるんだろうな───。 【イチゴミルク】。 それが、思い付いた頭を撫でる代わりの自分なりのご褒美だった──。