30分とかすぐじゃん──…

心の中で思いながら、クラスの喫茶店で食べることにした。


「──…なんか見たいとことかある?」


文化祭前日に渡された全体の案内図を見ながら話しかけた。


「ん──…
野上くんは気になるとこある?」


肘をついて案内図を見つめ、どうしよっかなぁと悩んでいる。

「俺は─…… ここかな?」

少し遠慮がちに案内図にあるFクラスの出し物──…


──…お化け屋敷。


中って、どんな風になってんだろうとか気になっていた。


本当は誠也と一緒に入るつもりだったんだけどな──…。


こういうの平気かな──…


そう思っていると……

「時間ないし早く行こっか!」と席を立った葵本──…。


「そうだなー」

そんな葵本に同意して、一緒にお化け屋敷へと向かって歩いていった──…。