お手洗いに行くと言って
歩いている間もドキドキしていた──…。


──…『イチゴ好きだな。』


野上くんは、イチゴ飴のことを言ってたんだよね──…。


いきなりの言葉に
頭の整理はついていかなくて落ち着かない──…


一瞬、自分のことを好きって言われたみたいでドキッとした。


「ビックリしたぁ──…っ」

誰も居ない洗面所の前で、
鏡から下に目線を落とした。


勘違いだったのに──…
ドキドキしてる──…。


でも、嬉しい気持ちもあった。


もし好きな人と同じ気持ちだったら、幸せだろうなぁ──…


やっと少し落ち着いたあたしは、野上くんのもとへと戻っていった──…。