何で──…
何で葵本がここに──…?
姿を見た瞬間、ドキドキが止まらなかった──…。
来るとか聞いてねぇよ──…
あっ──… 章吾か!?
だから今日───…
葵本と古河は目の前で
他愛ない話をしていた──…。
「──…葵本が来るなんて聞いてないんですけど?」
そんな2人に気付かれないように自然に肩に手をまわして、章吾だけに聞こえるように呟いた。
「言ってねーもん。」
小声で返してきて、
いつもの笑顔を向けてくる。
──…言ってねーもんって
そんな笑顔で言われても。
や、確かに聞いてないけど──…
あ、あれ──…??
まだ理解が出来てない俺の頭の中ではパニックが起きていた。