海岸に着いて花火をした。
打ち上げ花火やネズミ花火。
線香花火や、初めて見る花火。
花火をしながら騒いでいる誠也と章吾を横目に、葵本を見ていた。
──線香花火をしている葵本の表情は、とても可愛くて、一瞬目が合った。
さっき手を繋いだことを思い出してドキドキし、視線を花火へと戻した──……。
今になって、すげーことをしたんじゃないかと思い、体温が勢い良く上がっていく──。
でも、手を繋いだことに後悔はしていなくて幸せを感じてたんだ。
──葵本も同じように思ってくれてたらいいのに。
葵本は、俺のこと、どう思ってんだろうな────……