「おはよー」
化粧をしている母親に挨拶を済ませて、椅子に座って朝食を食べ始めた。
「あっ、おはよー。苺のことだから緊張して眠れなかったんでしょー?」
時計を見ながら返事を返してくる。
「え!?な、なんで!?」
図星だ……
お母さんの発言にビックリしたあたしは椅子に座ったまま振り返った。
「苺は小さい頃から遠足の前日とか楽しみで寝れないみたいで、朝早く起きてきてたからねー。」
そう言い、ふふっと少し笑いながら慌ただしく玄関へと向かっていく。
「お弁当、机の上だからねっ。じゃ行ってきますっ!」
「行ってらっしゃぁいっ」
ビジネスカバンを持って
黒いビジネススーツをビシッと着こなす母親を、あたしは見送った。