煙管に火を入れる。

実はほとんど吸えないのだが、用意は常にしてある。

ほどなくして、走って来る音がした。

「随分早かったね。」

「はい。それで、あの、・・・すいません。あの、姐様が。」

「何か言伝てでもされたのかい?」

(それとも、本当に毒殺されたか?)

「はいっ。あの、姐様が、『用があるなら自分で来い』って伝えて来てって。」

・・・とりあえず、殺されてはいない様だ。

「分かった。わざわざすまなかったね。」

「そんな事ないですっ。あ、煙管はお預かり致しますから、お連れ様のところに。」

俺は、煙管を少女に預け、ゆっくりと部屋に向かった。