厠はすぐ側にあった。

別に、行きたかった訳ではなかったが、少女から離れるために厠へ入る。

少女には、姐さんに呼ばれると困るだろうと、口実を付けて帰らせた。

キィ。

扉が軋んだ。

見た目は立派な建物だか、見た目だけで中身はガタガタらしい。

しばらく、中で時間を潰し、外に出た。

当然、誰もいない。

俺は静かに、あの女の部屋に戻った。