・・・多分、その日、何かあったんだろう。

俺は、それを調べなければならない。

相手は、あの、敵意剥き出しの女。

「あっっ。」

突然、少女が大きな声を出し、足を止めた。

「どうかしたのかい?」

「あ、ご、ごめんなさい。」

少女の目にはうっすら涙が浮かぶ。

「私、話夢中で、・・・厠、通り過ぎちゃいました・・・。」

「あ。」

そういえば、話を聞く口実に案内させていたんだった。

「いや、構わないよ。戻って教えてくれるかな?」

怒られないと分かって、少女の顔に笑みが戻る。

「勿論、喜んで!」