(・・・やはり。)

こうなった以上、かなり危険だが、このテでいくしかない。

「お待ちどうさまでした。」

(戻ったか。)

「山崎さん、こちらでよろしいかしら。」

見習いの少女が、大きな桶と手拭いを持ち、後ろに立っている。

「ああ、充分だ。ありがとう。あ、君。しばらくそこで待っててくれ。」

俺は少女を呼び止めた。

「え?はいっ。」

少女は少し驚いた顔を見せ、襖の奥に消えた。

俺はテキパキと、応急処置をガキに施す。

思っていたより顔色がいい。

これなら、すぐに目を覚ますだろう。