「・・・悪かったな。」

ボソリ。

「ほぅ。このガキは、感謝もちゃんと出来んのか?」

ムカッ。

俺は、すっ、と立って、無理やり山崎の耳を掴んだ。

そして、大きく息を吸う。

「ありがとなっ!」

耳元で、大声。

へんっ。ザマーミロ。

ちょっと、スッとした。

俺は、改めて、明里さんの前で正座する。

「?」

「明里さん、本当にありがとうございました。」

深々とお辞儀した。

「!!・・・隊士さん、いけません。私の様な者に!・・・あぁ、どうしたら・・・。」

俺は顔を上げる。

「・・・いえ、本当に助かりました。感謝しているんです。気にしないで下さい。」

「俺にはしないくせに。」

ボソリと山崎が呟いたが、無視する事にした。